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    『都庁論文試験の本質』

 昨年度出題を解説した29年度改訂版は

     4月上旬公開予定です。

公務員の横並びは幻想か

都庁では主任試験までは同期横並びと言われることがあります。
中央省庁(総合職)では、課長級までは横並びと言われます。大手企業でも10年間は横並びにするところもあります。

若いうちから明確に差をつけると、上位層は油断しかねず、下位層はやる気をなくすかもしれません。そこで切磋琢磨を促すために、あまり差をつけないように(少なくとも表面的には分からないように)することに意味はあると考えられます。(終身雇用が前提の組織の場合)

しかし、これは職員同士ではっきり分からないようにしているだけで、評価の差はついています。

都庁でも、ボーナス額や勤務評定に基づく昇給額の違いなど、1年目から違いが出てきます。
主任試験の適齢期までは役職にこそ差はつきませんが、毎年度末の業績評価では、上位5%、上位30%、標準、標準以下と分かれます。

都庁の主任試験は、筆記試験に加えて、それまでの勤務成績も含めた総合評価で合否が決まります。直前に試験勉強を頑張れば合格できるわけではありません。

表面的には、主任試験の合否で初めて「横並び」が崩れたように見えますが、それ以前にどんな職場でどのような業績を上げてきたか(いわば持ち点)によって合格しやすさが違いますから、実は試験の数年前から横並びではなかったということです。

また、主任試験に合格し、晴れて主任に昇任した職員の中にも、例えば、出先のみで5年間を過ごしてきた職員と、出先で2年間、その後に本庁で3年間を過ごした職員がいます。

どちらも同期で同じ時期に主任試験に合格したのだから、主任以降のキャリアパスは「横並び」で始まるかというと、それはありません。職位は同じ主任ですが、それぞれ異なる役割が期待されるケースが多いでしょう。

これは中央省庁でも、民間企業でも、外部の人から見て「〇年目までは横並び」と言われているものは同様です。人事が何年も仕事ぶりを見てきて、同期全員を同じ評価とみなすことはありません。
ある時期までは準備運動で、その後から一斉に本番が始まるのではないのです。

内部の人であれば異動先の違いでも差が分かるものですが、外部の人ではそこまでのニュアンスは分かりませんので、ある時点までは横並びで、その後、急に昇進レースが始まるように見えることがあります。

中央省庁(総合職)でも課長までは概ね同期横並びで昇進すると言われていますが、課長級に昇進した時点で、将来の事務次官・局長候補として枢要な課長職を任されるであろう人材、何年か課長を務めた後に外郭団体などへ転じるであろう人材は、ある程度は目星がついています。課長になってから生き残り競争が始まるわけではありません。

受験生の方への示唆としては、組織側の視点では、しばらくは同期横並びでのんびりできると期待されては困るということです。

また、組織としては、それを覚悟の上で、それでも自分は頑張りたいという人に来てほしいということです。

組織側の視点では、「同期と差をつけられるのは怖いから、いっそ横並びのほうが安心」というのでは頼りないと感じます。
ましてや「役職・給料が横並びなら、できるだけ楽をしたい」という意識が透けて見える人材はできるだけ避けたいと考えています。

たとえ一時的には同期に後れを取ったとしても、何が足りないのか分析したうえで、いつか追い付いてみせるという気概を持った人材が好まれます。


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